中華麺・蕎麦・うどん…麺類の違いを大公開! | 1玉45円からの製麺所

中華麺・蕎麦・うどん…麺類の違いを大公開!
2020.2.13

日本人は麺が大好き!昔からさまざまなメニューとして麺類は愛されてきました。
ラーメン・蕎麦・うどん・パスタetc. その種類は非常に多岐に渡ります!
お年寄りからお子様まで一度も口にしたことがない人を探すのは難しいくらいなのではないでしょうか。
昨今アレルギーの関係で「蕎麦は食べられない…」というようなケースもありますが、それによって創意工夫され麺類はやはり私たちにとってとても身近な食べ物として変わりません。
今回はそんな麺類について麺のプロがあれこれご紹介したいと思います!


麺の種類と歴史


麺の歴史については諸説あり、そのルーツは定かではありませんが日本に最初に誕生したのは奈良時代とされています。中国から伝来された唐菓子(からがし)という小麦粉や米粉、塩、水を混ぜ合わせて作られた菓子が麺の起源となり日本で最古の麺の誕生となったとか。
唐菓子の1つとして含まれる索餅(むぎなわ)はそうめんの原型と考えられており、これを使用して縄のように合わせた長いものが麺の始まりとなったようです。

最初は高貴な食べ物だった!?

現代のように庶民に愛される麺になったのは鎌倉・室町時代頃からで、それまでは貴族など身分のある者だけが食べられる高級な食べ物でした。
その後、江戸時代には蕎麦が庶民の食べ物としてブームとなり、明治時代には西洋文明が取り入れられたことでパスタ・マカロニが渡来してきたんです。
この頃には中華麺の渡来もあったという説があり、明治末期から大正初期にかけて横浜から中華麺が始まったという説が一般的な見解とされています。
当時の中華麺は『支那そば』として屋台で食べられていましたが昭和40年代に入ると札幌ラーメンのブームが起こり、これに続け!と言わんばかりにご当地ラーメンが人気を呼びました。
最近になって新たな記述のある資料から室町時代に中華麺が存在していた!という説が出てきていて、かん水が使用された「経帯麺」という麺でラーメンに似た調理法で食されていたという説も上がっています。
なににせよ、日本人と麺のお付き合いはとても長い歴史があるんですね!

中華麺はコシの強さが決め手!


経帯麺の資料が見つかるなどルーツは諸説あるので一概にはいえませんが、一般的に広く食べられるようになったのはやはり明治末期から大正時代という認識でよいのかなぁという感じです。
大正時代から庶民に愛され続けている中華麺は現在、最も日本人に親しまれているラーメンという形で私たちの食生活に彩りを与えてくれています。

中華麺の特徴

中華麺は数え切れないほどのレパートリーがあって、主にラーメンに使用されることが多い麺です。
小麦粉に『かん水』を加えて生地をアルカリ性に練り合わせる黄色い麺が一般的だと思います。かん水を使用することで独特のコシと風味を生み出すことができ、これがうどんとの違いでもあります。
中華麺は非常に奥が深く、使用する粉や加水率によってまるで別物というくらいの違いが生まれ、製麺する際の技術や環境が麺の仕上がりに大きく左右しています。

中華麺はラーメンに合わせて選ぶ!

ラーメンに使用することがメインの中華麺ですから、ラーメンの種類に合わせて選べるように麺の幅・麺のタイプ・材料の選択肢が無数にあるんです。
製麺所で麺を切る際に使われる「切刃」という刃によって麺の形状を変えています。
ラーメンの切刃は角切が一般的で四隅をとがらせたものになり、スープとの絡みも上々です。
麺の幅はザックリ大きく分けると6種類くらい。極細・細・中細・中太・太・極太という感じです。
この麺幅は「番手」という基準でさらに詳細に分けられていて、番手の数字が小さければ小さいほど太麺、大きくなればなるほど細麺に仕上がります。
これらの特徴をすべてひっくるめてラーメン作りに活かしていくのが中華麺。たくさん種類がある分選び方がとても重要です。

中華麺の用途は無限大!?

中華麺といえばラーメンや焼きそばに使用するのが一般的ですが、これほど万能な麺を限られた使い方に留めておくのはもったいないと思いませんか?
中華麺の基本的な調理方法は、茹で・蒸し・炒め・揚げなどさまざまで、工夫できるのが非常に優秀だと言えます。工夫することで店舗の新しいメニューにつながるかもしれません!

蕎麦は『そばの実』を使ったそば粉が原料!


日本の伝統食ともいわれている蕎麦は奈良時代以前から存在していたようです。こちらもやはり諸説あるのですが、縄文時代まで遡る可能性もあるという説も。
蕎麦は日本の食文化に欠かせない存在であることは間違いありません。

蕎麦の特徴

一言で蕎麦といっても多種多様…粉の挽き方次第で風味や食感が大きく変わってきます。
そば粉の挽き方は一般的に石臼挽きとロール挽きがあるのですが、熱に弱い性質を持つそば粉は丁寧な作業で製粉することで蕎麦本来の香りや風味を損なうことなく作ることができるんです。
そのため石臼挽きはゆっくりと製粉することで熱の発生が抑えられるとして極上の美味しさを実現しています。
ただしロール挽きが劣っているということではなくて、近年では機械式の技術も著しく進歩しているので熱を発生させにくくしながら製粉できるようになってきました。ロール挽きは1度に大量の製粉が可能というメリットもあるので、用途に合わせて使用されています。
また、つなぎの割合で蕎麦の呼び方が変わるのもおもしろいところ。
つなぎなしの場合は十割蕎麦、そば粉8割とつなぎの小麦粉2割で作ったものを二八蕎麦といいます。
蕎麦はそば粉とつなぎ、水から作られるため素材選びが美味しい蕎麦の条件です。

魅力がいっぱい!蕎麦打ちとは?

趣味で楽しむ方もいるくらい人気がある「そば打ち」とは、一体どんな魅力があるのか…。言葉で言ってしまえば作業工程は比較的簡単に感じますが、実際はひじょ〜に奥深い世界が広がっています。
簡単に流れをまとめると
水回し→練り→のし→切り→茹で→食す!
というシンプルな工程。
そば粉と水を混ぜ、生地をまとめて練って、麺棒で生地をのばし、バランスよく切って茹でるわけですね。
これがとても難しく、回数を重ねることで技術を習得し、確実に美味しい蕎麦が作れるようになるというわけです。
目に見える成果と自分で打った蕎麦を食す…これこそが蕎麦うちの魅力!
各地でそば打ち教室の開催もされているほどですから、一度は体験してみたいものです。

子供も大人も大好きなうどん


うどんの起源は中国で、日本で庶民の口に入るようになったのは江戸時代の初期といわれています。麺というのはたくさんの説がうようよしているので、うどんのルーツも諸説あります。兎にも角にも、うどんも昔から庶民に愛されている麺の1つです。
食欲がないときや風邪を引いたとき、やさしい食感のうどんは大活躍してくれますよね。消化がよく調理が簡単で家庭の味をプラスしやすいうどんは、子どもの頃から馴染みのある懐かしい味が特徴です。
シンプルな素材がアレンジ一つでオリジナル感満載のうどんに変化するので、幅広く楽しむことができます!

多種多彩なうどんの特徴

うどんはとにかく種類が豊富です。その種類も分け方が複雑なんですよね。
たとえば有名なところでいくと『讃岐うどん』や『稲庭うどん』。これは産地や製法で分けています。
メニューによる種類で分けるともはや無限大。きつねうどんやカレーうどん、天ぷらうどんにぶっかけうどん…みなさん好きな食べ方は様々なのではないでしょうか。
うどん自体は至ってシンプルな素材で作られているので、製法や食べ方、アレンジによって幅広く楽しむことができます。
うどんは小麦粉に少量の塩水を加えて混ぜたものを踏みの作業で形を整え、麺棒でのばして切って完成!
単純明快ですね!これが手打ちうどんの基本です。

うどんの味付けは地域によって全然違う!?

うどんに限らずよく聞く言葉で『関西風』と『関東風』というのがありますが、うどんの仕上がりも同じです!
関西風は薄味が好まれ、一般的には薄口醤油が使われます。お吸い物のような出汁感たっぷりのおうどんで、見た目にも薄い色の汁のうどんが好まれています。
一方関東風は濃口醤油を用いることが多く、味も見た目も濃くて黒っぽいイメージがあると思います。
かけうどんなどではこのような出汁の地域性が目立ちますが、バリエーション豊富なメニューだと様々な味が楽しめるのがうどんの良いところです。

パスタ・米粉etc.実は昔からある麺類たち!


どこに行っても見かけるパスタも日本人が愛して止まない麺類の一つですよね。パスタは明治時代から日本で食されていたとも言われていて、馴染み深い麺なんです。
そんなパスタの種類は500種類以上ともいわれていて、形も用途もさまざま。
小麦粉と水で作られたナチュラルな食品なので、トマトソースやクリームソースなどと絡めて食べるのが一般的だと思います。
最近一般的になってきた米粉というのは米を粉にしたもので、パンやケーキ、麺類などに使用されています。
アレルギーで小麦が食べられない…そんなケースにも対応できる食材として重宝され、お米のパスタや中華麺風の米粉麺、フォーやビーフンなどアレンジ性の高い食材です。

中華麺とうどん、そばの違いってなんだろう?


麺というカテゴリーを細分化していくとそれぞれの麺の違いがわかってきます。
原材料の違いが麺を分類する時の重要なポイントなので、原材料を見ていきましょう!

・中華麺…小麦粉+水+かん水
・蕎麦…そば粉+つなぎ+水
・うどん…小麦粉+水+塩

こう見るとどの麺も非常にシンプルな材料で作られていることが分かると思います。
麺の違いは原材料ですが小麦粉の種類や量、加水率によっても違いが出てくるので、その点が非常に奥深いです。

生麺と乾麺の違いを知ろう!

麺類はお店で食べるだけでなくて自宅でも当たり前に食べていますよね?
お店で食べるのはほとんどが生麺だと思いますが、自宅では保存性の高い乾麺が一般的かなと思います。
もちろん自宅でも生麺を食べられますが、賞味期限が短いので買ったらすぐに食べないといけません。なので自宅用には長期保存が可能な乾麺の需要が高いと思います。
中華麺、蕎麦、うどん…どれも生麺と乾麺どちらも簡単に手に入る商品なので、それぞれの違いを知っておいて損はありません!

違いは保存性と茹で時間!

乾麺と生麺の違いはそんなに難しいことではなくて、見た目のまま…といっても過言ではありません。そもそもの水分量が全然違うので、長い保存に適しているのは乾麺。生麺の賞味期限は短いのが一般的です。

長期保存可能!乾麺の特徴は?

まず乾麺ですが、基本的には半年~1年以上の保存が可能な商品が多いです。水分をとばして包装し、添加物などは使用しないことが多いので開封すると日持ちはしません。保管状態が悪ければ傷んでしまうので、気をつけたいところです。商品に記載されている期限はあくまでも未開封の消費期限と認識してくださいね!
また、乾麺は茹で時間が長くなります。水分がないのでどうしても茹でるのに時間がかかってしまうんですね。逆に麺を茹でている時間を上手に使えば段取りも良くなるので、そう行った面で乾麺を活用するのも悪くありません。

すぐ食べるのが美味しい!生麺の特徴は?

生麺は「すぐに食べないとダメ」というイメージが強いのですが、中には消費期限が一ヶ月程度の商品もあります。一ヶ月あれば一応ストックの役目も果たしてくれますので、生麺を長く楽しめるようになったのは良いところだと思います。
ただし日数が経過するのにしたがって徐々に水分が抜けていくので、早めに食べたほうが断然美味しい麺が食べられることは言うまでもありません。生麺はやっぱり早めに食べるのがオススメです。
冷凍してしまうという手もありますが、元々水分が多いのが特徴の生麺ですから、味は相当落ちてしまいます。我々太陽食品で作っている麺も冷凍すると味が落ちるのでオススメしていません。
生麺の茹で時間は乾麺と比べると短いです。さっと茹でてすぐに食べられるのも生麺のメリットだと思います。
新鮮な麺を賞味期限内に食べる!これが麺を美味しく食べる何よりのポイントです。
生麺と乾麺は生活スタイルに合わせて使い分けると便利なので自宅用に購入する際の参考にしてください!

語っても語りきれない!麺の世界は奥深い!


長い歴史をもち、現在もさらに進化し続けている麺については、本気で語ろうと思ったら話が終わらないこと必須です。
今回は「麺」の中でも中華麺と蕎麦、うどんに的を絞って違いについてお伝えしましたが、これは球技でたとえるならサッカーと野球、バレーボールの違いについて簡単に述べたものに過ぎません!
同じ球技でも使っているボールが違うよ、ボールの硬さ、大きさが違うよ、ルールも違うけど大きなカテゴリーでは球技の中の一つだよ!というザックリめなお話でした。笑
今回は原材料が違うのか!ということがわかっていただけたら大成功ということで、結びとさせていただきます!